そして今回の「新型”パクリ”アテンザを潰すべく」登場した日産ティアナからビンビンと伝わってくる「宣戦布告」という日産の意思表示に、マツダも戦々恐々のようです。アテンザのグローバル展開、特に北米と中国で大きく立ちはだかってくる「最大の壁」がこの「ティアナ/アルティマ」になりそうです。北米では現在快進撃が続いていて、アテンザはイマイチ勢いに乗れていません。米雑誌の評価はどちらも高水準ながら、「ティアナ/アルティマ」の方がより高い評価を得ています。
日産の全ラインナップにおける基本的な設計思想の全てに共通して含まれる”通奏低音”は、「日産以外のメーカーは全てカス!」という完全なる上から目線からの賜物です。グループメーカーのルノー車ですら「日産エンジン積んだから少しはまともになった」という評価にすぎず、あとは対等なパートナーシップを結んでいるメルセデスが唯一認められるレベルで、レクサスもBMWもレベル低すぎてまったく日産車の敵ではない!くらいの暴虐無人さが広告のコピーにも至る所にみられます。
新型スカイラインのCMでは、(名指しこそしていませんが)レクサスISを「ありきたりのプレミアムカー」とこき下ろし、新型ティアナのコピーはマツダアテンザは「子供向けの”なんちゃってカー”」という軽蔑の念を前提としていて、ティアナこそが「本物を知る大人のクルマ」と言い切っています。これだけに留まらず、ノートの販売戦略はアクアやフィットを「ガラパゴスで花開いたHV商法」と吐き捨て、コンパクトカーのHVでは「燃費で元がとれない」という指摘をしました。
セレナはステップワゴンやノア/ボクシィを「コンパクトカーの水増し」と蔑むニュアンスがありました。快適性を謳うミドルサイズミニバンを本質的によいクルマへと昇華させたのが、セレナです。日産の営業マンはライバル車を口頭で貶めてはいけないとキツく言われているようで、「マツダとの比較ですか?まあマツダもいいんじゃないですか?(あなたレベルならマツダがお似合いだ!)」みたいなことを言ってくるらしいです。
日産の開発者の話を聞いていると、多くを語ろうとせずに「これが(R35GT-Rを作ってしまう)日産のクオリティです。」みたいな姿勢で無理矢理に解ってもらおうなんて少しも思ってないですね。誰が何と言おうとも「日産車=クラス最高水準」は自動車業界全体の常識で、たとえ相手がポルシェだろうがBMWだろうが日産の上に立つことはあり得ない!とでも言い出しそうなくらいに自信がありそうです・・・確かに説得力はあります。
そんな「眠れる大蛇」の尻尾をまんまと踏んでしまったのが、マツダアテンザみたいですね。それにしても新型ティアナは調べれば調べるほど「納得」させられてしまいます。アテンザも随分高級感が出てきましたが、まだまだ福野礼一郎氏にさんざん弄られるレベル。この野蛮極まりない「レイシスト」に「文句無しの高級感!」と言わせるのが今後のマツダの課題ですね。その一方でレクサスと日産はすでに「この人」をしてメルセデスやBMWより上の水準と認めさせています。確かに日産の上級モデルの内装はため息がでるほど良いです。とうぜん例に漏れずティアナの内装もとてもいい!これではアテンザは分が悪い。
そしてなにより今回のティアナの素晴らしい点は、高張力鋼板を多く使った設計でボディ剛性を挙げつつも、アテンザにじわりと迫る1470kgまで「減量」してきたこと。当然ながらハンドリング設定の自由度も大幅に上がり、投入する市場の道路事情によって様々に作りわけることができるのだとか。中国向けやタイ向けといった設定とは違って日本向けは「アテンザを徹底マークしたドライビング・モード」になっていて、「ハンドリングのマツダ」に堂々と闘いを挑んできました(日産の場合は上から目線だけども)。
さて最高の敵に巡り会ったわけですから、マツダは日産の胸を借りるつもりで、全力でアテンザを進化させてほしいと思います。
リンク
「最新投稿まとめブログ」
アテンザの元になっているshinariコンセプトは2010年9月3日に発表されています。
また、アテンザは、2012年に発売です。
skylineは、2013年発売です。
アテンザが先に発売しているのに、どうやってパクるのでしょうか?不思議ですね。