調べ始めて5分も経たずにあっさりと結論が・・・。2000年に刊行された「いいクルマ、悪いクルマ、最低なクルマ」という本を開いて間もなく暗澹たる気分になりました。ひどい!ひどすぎる!クルマを頑張って作っている人達の気持ちをもう少し考えてあげてもいいのにと思う。軽く抜粋すると・・・
「アイディア満載だが、走らない(デミオ)」
「絶望的に退屈な5ドア。これでフォーカスやゴルフに対抗するのは無理(ファミリアSワゴン)」
「広くて装備も充実しているが、魅力なし。(カペラ)」
「入門車向けスポーツカーとしてはパーフェクト。(ロードスター)」
「すべてが”そこそこ”レベル。つかみどころのないクルマ。(プレマシー)」
「アメリカ郊外の主婦向けワゴンというつくり。(MPV)」
これが2000年頃のマツダに対する一般的な評価だったのですね。ロードスター以外は完全にボロクソな言われようです。それでもスペック表を見てみるとカペラなどは「5ナンバーサイズ」で「1200kgの車重」で「170ps」も出ていてなかなか楽しそうなんですが・・・。デザインもそこまで劣悪ということもなく、むしろ初代アテンザに良く似た感じで経年劣化には強い印象すらあります。この本だけでは筆者に悪意があるのか、世間の評価も同様だったのかがイマイチ判断できない部分もありますが、まあ「スポーツカー以外は見るべきものは無い!」と言われても仕方ないかな・・・。
この本では、日本メーカー全てがマツダのように叩かれているかというと、そんなことはまったくなくトヨタやホンダ、日産はかなり喝采を浴びていて、特にヴィッツやセリカ(最終型)、MR-Sなどが高く評価されているのが印象的です。スバルも三菱もスズキもそれほど悪い評価ではなく、日本車では完全にマツダに対して厳しい意見が多いです。外国メーカーでマツダのように叩かれているのはオペル、シトロエン辺り。マツダも含めてこの3社、2000年頃はいずれも経営が行き詰まりを見せていた時期であり、思うようなクルマ作りが出来ないという事情があったようです。
それにしてもマツダ、オペル、シトロエンいずれも他社の傘下に入って立て直しが行われた結果、見事に復活を果たしています。それぞれ日独仏の渋い「クラフトマンシップ」を誇る独創的なメーカーとして注目を集める存在になりました。しかも3メーカーともに今では、抜群の「デザイン力」を誇るオシャレなブランドイメージが定着しつつあります。デザインが難しいとされる小型車もとても魅力的に作っていて、「オペル・アダム」と「シトロエン・DS3」そして「ルノー・クリオ(ルーテシア)」が、現在の欧州3大美デザインBセグです。そして「マツダ2(デミオ)」もまた3代目が欧州で高い評価を受けました。ルノーもそうですが、2000年頃には散々に「絶望的にかっこ悪い」と罵られてきたブランドが「トラウマ」をはね返すべく、屈辱をバネして甦っています。
まあ2000年頃の各社のクルマなんて、今見てみればどこも悲惨なもので、今でも通用するような好デザインなのが意外なことにトヨタ!「ヴィッツ」も「アルテッツァ」も「MR−S」も「セリカ」も「カムリ」もなかなかイケてます。他のメーカーでは「プジョー406」「フィアット・バルケッタ」「ローバー75」「BMW3(E46)」あたりがなかなかのデザイン。それにしても苛烈極まるのが、英国カーメディアでまるで「何様だ?」といった感じです。
この本の刊行から15年近くになりますが、今では英国シェアナンバー1がオペル(ボクスホール)。シトロエンとマツダはそれほど上位ではないですけど、しっかりと売れています。日本ではまだまだ「マツダなんて絶対に買わない!」といった差別的感情があるようですが、昨日ディーラーで話を聞いたら、最近ではお客さんのマツダに対する理解が恐ろしく進んでいて、来店するほとんどの人が「スカイアクティブ」という言葉を知っていて、説明する手間もかからず商談が早いですよ!と言っていました。
いままで英国メディアのマネをしてマツダを叩いていた評論家達が「掌を返す」かのように、マツダを褒め称えるようになりました。そんな「ライト」な生っちょろい評論家達をことごとく批判している、沢村慎太朗氏は相変わらずロードスター以外のマツダを無視しているようですし、福野礼一郎氏は全くブレることなく「マツダwww」という自分のスタンスを守っている様子。先週はちょっと短絡的にディスってしまいましたが、やはりこの2人はただ者ではないなと改めて思いましたね・・・。
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