しかしまあ、この直4モデルに対する偏見というのがまだまだ根深くて、500〜700万円もする高級車にはちょっと相応しくないだろうという感情もあったようで、売れ行きは伸びず・・・。そもそもFRで直4を使うというのが愚か過ぎで、エンジンは高回転でうるさくなる上に、FR特有のプロペラシャフトが唸る。さらにFR車はキャビンの近くにトランスミッションを配置するわけですが、これが直4ターボだと忙しいくらいに切り替わり、車体も軽量化されているので「変速ショック」が社内にとても良く響きます。
まったくもって直4エンジンはFRの高級車にはあり得ない設計だと思うんです。スポーツカーじゃないんだから・・・。フェアレディZとスカイラインに新たに直4ターボが載るようですけど、Zならわかりますが、新型スカイラインは明らかに高級車路線なのだから違うだろ!と言いたい。
どうやらメルセデスやBMWもラインナップを全て直4ターボにするという「暴挙」はあまりの不人気に考えを改めた模様です。本体価格595万円のメルセデスE250がMC直前の限定モデルとはいえ、400万円程度で正規ディーラーから販売されたらしいのですが、メーカーもこの設計のクルマの価値を完全に見限っている? もはやアテンザと同等の価格じゃないですか・・・。メルセデスは早くも次の展開を考えているようで、次期Eクラス向けになんと新たに直6エンジンを開発しているのだとか!
メルセデスが新型6気筒エンジン、しかも直6!を新たに作るとなると、提携関係にある日産のフーガとスカイラインにも同じものが供給されるのでは?という期待感もあります。実現したら往年の日産ファンが再び熱狂するのかな・・・。この日産の動きにシンクロするようにトヨタにもBMWの直6を積んだモデルが登場するという計画も進行していて、いよいよアリストターボやスープラみたいなクルマがラインナップに加わるのもそう遠い話ではないらしいです。
そしてスバルもいよいよ日本で水平6気筒が復活するのではと、あの販売店の店長さんが仄めかしています。アメリカ仕様には6気筒があるのでそれをそのまま日本で売ればいいだけの話です。さてなぜ各社がこれほどまでに中型モデルの6気筒化にこだわるのか? それはおそらく商品力において、4気筒では十分に魅力が発揮できないからだと思われます。
簡単に言ってしまうと、4気筒ではアテンザに負けてしまうということです。4気筒で同じ土俵に立ってしまうと、おそらく大半の人がアテンザを選んでしまうくらいに、内外装の冴えをみせているので、他社は解り易く差別化する方法として、おそらくマツダが追従してこれないであろう6気筒化に活路を見出しているわけです。アテンザ登場の結果、ベンツが直6回帰というならマツダの取り組みが見事にクルマ業界に変革をもたらしていますね。
もっともメルセデスは出したら意味不明に売れてしまったCLAとの差別化という意味もあるようです。FRモデルのテコ入れに直6というのも気持ちいいくらい合理的(ドイツ的)な判断ですね。
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