2014年03月21日

メルセデスCLAを好意的に解釈してみよう

  価格・サイズ・デザインだけを見ればアテンザの比較対象になることもありうるという「メルセデスCLA」。開発担当者がVWに対して完全に「白旗」発言したり、購入者の多くがメルセデスの基準においては乗り心地は「不満」だとかで、「価格」と「個性的なデザイン」以外には特筆するすべきことはないらしい。でもなぜかみなさん不思議と満足そうなんですよね。

  そう言えば新型アテンザもスペックだけみればいろいろ不満だらけなんですが、まあ300万円台という価格も含めて顧客満足度が高いのは想像できます。口が悪い人は「CLAもアテンザもどちらも中国向けのシロモノ」と言うのでしょうけど、どちらも決してそれだけのクルマじゃない!というのは私にでもよ〜く分かります。

  クルマはスペックで優劣を決めるものではなく、それを買った人がどれだけ幸せになれるかが最も重要です。いくらスゴいクルマだからと言っても、私ごときが12気筒のメルセデスSクラスを借金してまで無理して買ったところで、「効用」は大して高くなく恐らくというか絶対に幸せにはなれないと思います。とりあえず1000万円は軽くするクルマを無理してでも所有しなければいけない「生活環境」なんて息苦しくて嫌だなとも思うわけです。

  気楽に林道などに入って行けるクルマで、適度な上質感があり、満足いく居住性と動力性能があって300万円前後。こんなクルマが実際には日本の大多数の人を幸せにするんじゃないですかね。モリゾー社長じゃないですけど、「クルマ文化」の裾野を広げるためには、主要メーカーがこういうクルマを積極的につくらなきゃダメだと思います。日産の新型スカイライン(500万円程度)が予想外に批判されるのもこれが原因なのでは?

  逆に300万円程度で満足度が高いクルマが作れているメーカーはイメージが向上している印象。トヨタ86/スバルBRZは最終的には愛されるでしょうし、カムリHVがブレイクしたのもこの「法則」に則っていたらからな気がします。最近では「マークX G’s」がブレイクしてますね、もうちょい安ければもっと火が付くと思いますが、レクサスISの客が減ってしまうのでこれ以上は安くできないでしょう。

  そして何といってもマツダ!このブランドは今も昔も「ユーザーを幸せにする!」ということに全力で取り組むメーカー。今のマツダ人気を分析すると、「300万円で幸せになれる」ことに加えて、「国内産業保護」を声高に叫ぶメーカーのクルマを買う事で、「日本経済に少しばかり貢献しているという想いがする」というのがあります。もちろん「ゴルフ」も「CLA」も「ジャガーFタイプ」も「マクラーレン12C」も日本製の部品をたくさん使ってますから、それなりには貢献できるんですけど・・・。それでも特に過疎地域が多い中国地方を地盤とするマツダは応援したくなります。

  さてCLAですが・・・出来はどうあれ、このクルマが売れることで日本メーカーにも何らかの変化が生まれる可能性はあると思います。日本の設計者からするとCLA180なんて、カローラクラスを担当するエンジンなのに何であんなに立派なボディを載せるのだろう?と不思議以外の何者でもないです。ただしメルセデスが日本で400万円以下で3BOXのベンツを買えるようにするんだ!という「大義名分」のもと作ったクルマだとするならば十分に理解できます。

  なぜ走行性能が著しく低いのか(カローラクラスのエンジンなのか)? それは既存のメルセデスのラインナップの売上に大きな影響が出ないようにする為なのでしょう。メルセデスのシェアを減らさずに200~300万円台の日本車からサクっとシェアを頂く!プリウス、カムリHV、ティアナ、アコード・・・ここら辺の乗り換え需要をごっそりと。それと同時に、アテンザに取られそうなユーザーに新たな提案ができる。なんと言っても値引き可能額はマツダ以上!コストかかってませんから!(実際はC/EクラスがごっそりCLAにやられているそうですが・・・)

  アクセラXDの「価格」がアテンザを気にしていたり、新型ティアナの「デザイン」がスカイラインを気にしていたり・・・もし恰好良すぎたらスカイラインが売れなくなります。そこからいくとCLAのように「性能」を落とすことで上級モデルに配慮するのは、日本メーカーにとっては斬新じゃないですかね。どうせ100km/hしか出せない道路です。2.7秒で100km/hになるGT-Rも10秒で100km/hになるフィットも実用域では大した差なんてない!だったらプレリュードのボディにフィットのエンジンでいいじゃん!これがCLA180の本質なんだと思います。少しイメージが変わったかも。






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posted by cardrivegogo at 06:50| Comment(0) | 輸入車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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