2014年02月10日

アテンザとレガシィの新たなる戦い!

  VWの屋台骨であるゴルフに設定されているGTIというAWDのスポーツグレードは、登場時に「アウトバーンの民主化」と言われたそうです。現在の欧州では道路事情も限りなく日本やアメリカに近いものになっているようですが、当時はアウトバーンの追い越し車線は250km/hで安定して巡航できるクルマの専用レーンで、メルセデス、BMW、ポルシェの独壇場でした。VWの大衆モデルをベースにしたクルマがそこを走れるようになったことは「革命的」な出来事だったのだとか。

  以後、欧州を主戦場とする中型車には「250km/h対応」という規格が適用されています。アテンザも初代からこの規格に基づいて設計されていて、ゴルフGTIが切り開いた「民主化の波」を引き継いでいるわけです。そして現行アテンザはどうやら「新たな民主化」を主導する存在へとなりつつあるようです。レクサスGSやBMW5を脅かすというわけではないですが、それらが本来は担うはずの役割を少しずつ奪っています。都市部の風景では確実にそういうシーンが増えている気がします。

  北米のシカゴMSで新型レガシィが発表になりました。コンセプトモデルでは1910mmの北米サイズになっていましたが、どうやら1840mmに収まり無事に日本仕様も11月にFMCを迎えるようです。全体の印象としてはカムリHVの日本仕様に似た落ち着いたエクステリアですが、醸し出す雰囲気はBMW5シリーズに近い気がします。おそらくこの新型レガシィが狙うコンセプトはAWDセダン版の「新たなる民主化」でしょう。

  プレミアムセダンにおけるAWDのニーズは年々上がっているようで、オールウェザーでの安定走行性に加えて、高速道路での追い越しも加速が鋭いAWDの方が断然に楽だったりして、その潜在能力は非常に高いものがあります。アウディのクワトロが一定の評価を得ると、メルセデスもAWDのブランド化に励んでいます。降水量が多い日本のAWD技術は一般に世界最先端と認知されているのですが、日本メーカーは肝心のプレミアムセダンとしてのAWDのブランド化には消極的でした。

  しかしアウディやメルセデスにシェアを大きく奪われる中で、いよいよシェア奪還に向けて強力なモデルが今年次々に登場する予定です。日産はインフィニティQ50にHVのAWD(アテーサ)を、ホンダはレジェンドで同様にHVのAWD(SH-AWD)をそれぞれ投入します。どちらも走行性能以上に高品質なインテリアも話題になるはずです。そして北米で最も優秀なAWD技術と賞されるスバルもレガシィのプレミアムセダン化でこの競争に参入し、価格面で優位に立つレガシィがあっさりとトップシェアに返り咲く可能性も高そうです。

  日本市場においては、とりあえずはアテンザのガチンコのライバルとして投入されるはずで、価格帯もアテンザを意識した「お買い得」価格になりそうです。さらに後発であることを利してサイズもアテンザより僅かに小さくまとめてられていて、FFかAWDかという大きな隔たりこそありますが、この2台のどちらかで迷う人をさりげなくスバル側に誘っています。

  ただ先日の発表式典で報道陣の前に初めて姿を現したときの映像を、北米スバルのサイトで見る事ができますが、除幕が行われたあとの観衆のやや「動揺」したリアクションを見る限りでは、エクステリアの表現力がアメリカ人を唸らせるにはやや不足していたかもしれません。数日前には日産がFFセダンの大胆なコンセプトモデルを発表していて、それと比べるとやはり地味な印象になるのかもしれません。マツダ6やレクサスIS、インフィニティQ50など先行している日本車セダンのデザインが光る中ではやはりインパクトが弱かったようです。
 
  それでも先代レガシィからはデザイン面で確実に進歩を遂げています。控えめなデザインも必ずしもマイナスというわけではなく、逆に前のめりになり過ぎているレクサス、マツダ、日産のデザインの方が、時の経過とともに風化が早いかもしれません。先代には全く興味が出ませんでしたが、今回は個人的にかなり好きなデザインになっていて、次期購入の有力候補が登場したと強く感じました。
  
  世界トップクラスの中型車メーカーとしてグローバルでもセンセーショナルな存在となっているマツダとスバルが、ドイツプレミアムやレクサス、日産を目指して共闘すれば、硬直化して一時は末期症状と言われた国内セダン市場が再び活性化しそうです。もはや両者が潰し合う関係ではなく、どちらもドイツ車からシェアを奪い返すに十分なくらいのポテンシャルを感じます。

  アテンザもレガシィも日本市場ではもはや崖ぷちです。もしこの両者にとって生き残りを期するなら、「直4NAで軽快に走る高品位なセダン」という新たなムーブメントを作ることでしょうか。とりあえずクルマの魅力を最大限に発揮して、ブランドヒエラルキーでのポジションが曖昧になっているレクサスGSやBMW5辺りを駆逐して、セダンの「下克上」を新たなトレンドにしたいところです。当然ながらレガシィの日本上陸を迎え撃つアテンザのMCブラッシュアップにも大いに期待したいです。


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posted by cardrivegogo at 04:47| Comment(2) | スバルレガシィ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。ジャガーのブログにコメントを書きましたが、書かれなかったみたいですので、こちらにも書きます。
これからも、あなたの言葉で書き続けてください。僕はアクセラでさえ新車で買うことを躊躇する貧乏人ですが、あなたの文章で夢を見ています。貧乏人は貧乏なりに、将来どの車を持って、人生を楽しもうかと思っています。
僕があなたに惹かれるのは、あなたは良いものは良いという考えだからです。独断と偏見とか謙遜されていますが、視野が広く、勉強なさっているあなたの文章は、とても読んでいて楽しいです。
いつか、僕が将来買う車のアドバイスをしてくだされば、幸せと思っています。
Posted by まか at 2014年02月10日 17:54
まかさんこんにちは
コメントありがとうございます。

仕事から帰って、まかさんのコメントを読んでいると
思わず目頭が熱くなり涙がぽろぽろでるほど感激しました。
まかさんのように人の心を打つ素晴らしい文章を書けるように
これからも精進していきたいと思います。
素晴らしい読者を持ってとても幸せです。

Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年02月10日 22:26
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