しかしそんなマツダのアクセラに対する意気込みを打ち砕くかのように、主力市場であったドイツの新車販売台数はこの10年間で4割!も低下しています。マツダが12年前に起死回生の1台として作り上げた初代アクセラの頃とは比べ物にならないほど酷い状況です。
その一方で、言われているほどにクルマ離れがそれほど進んでいないのが日本市場です。確かにバブル期に比べれば低い水準ですが、10年前と比べれば販売台数は伸びているくらいで、近年ではクルマ人気の再燃すらうすうす感じます。自宅マンションの駐車場が最近次々に埋まってきました!
今回のアクセラの新グレードの緊急追加には日本市場で勝負する!というマツダの強い意志が感じられます。欧州向けに作成しているグレードをそのまま国内仕様にスライドしただけなので、特別なコストはほとんどかかっていないのでしょうが、メルセデスやBMWみたいにフレキシブルに動けるブランドなのだと日本のファンに示すには恰好の機会だったように思います。
マツダはプレミアムブランド化を戦略として掲げています。日本メーカーにはレクサスという先例がありますが、レクサスの動きを見ていると、メルセデスやBMWが次々に日本市場に攻勢を掛けてくるのに比べると、後手後手の印象でやや歯痒い思いがします。もっと解りやすくクルマ好きが熱狂するようなクルマ、直情的に訴えてくるようなラインナップを、その気になればいくらでも作れるだろうに・・・。レクサスを作っている人は、常日頃から楽しいクルマなんて欲しいと思ってないのか?という気すらしてしまいます。
レクサスがダメなブランドとは思わないが、積極的な姿勢にはとても見えないですね。トヨタ80点主義なんて使い古された言葉がありますがレクサスもまさに80点ブランド。レクサスCTのMCがありましたが、もしこのクルマに新たな需要を呼び込むなら、より強力なカムリのHVシステムを持ち込むべきだったように思います。客に好きに選ばせて好きに使ってもらうのがプレミアムブランドの正しい姿です。そして客にもそのクルマをどこでどう使うのかをあれこれ妄想させてこそ、熱狂的なファンが付いてくるのではないかと思います。
メルセデスやBMWはそれを十分上手くやっているか?と言われると必ずしもそうではないかもしれないですが・・・。確実にレクサスよりも気の利いたラインナップでクルマ好きも初心者もうまく惹き付けています。2ドアだったりルーフが開いたりと万遍なく用意することで、どっかの感性に引っかかるクルマを作っています。今回マツダがMTグレードを拡大しました。一見地味そうに見えますが、これはこれでとても効果的だと思います。もちろんMT設定したところで限定免許ばかりなのだから販売台数なんて直接的にはほとんど伸びないでしょうが・・・。
マツダのエンジニアはクルマの仕上げに大きな自信を持っていて、しかも現在はライバル関係からもかなりのやりやすさを感じているはずです。輸入車はどれも判を押したように似たり寄ったりの構造をしていて個性に欠けます。Cセグハッチバックでアクセラのスタイルに対抗できるクルマはほとんど見当たりません。欧州勢はどれもフロントデザインは立派ですが、リアから見れば魂が抜ける残念な想いがします。唯一の対抗馬がレクサスCTくらいでしょうか。
アクセラはデザインだけでなく、クラス最高水準の新型シャシーに加えて、ボデイ剛性でもVWゴルフと並んで最先端の超高張力鋼鈑を贅沢に使っています。すでにこれだけのアドバンテージを持っていながら、このクラスの主導権をとるべく、最初からガソリン、HV、ディーゼルを全て揃えてきました。願わくば2Lガソリン、HV、ディーゼルを2つのボディタイプどちらでも選べるようにしてほしいところですが、そんな希望も近々叶うのではと思わせてくれる今回のMT追加でした。
もっともCセグハッチバックはレクサス、メルセデス、BMWにとっては勝負するクルマではなく、所詮は「撒き餌」に過ぎません。300万円台の価格に飛び付いてくるお客と3年間のメンテナンスパッケージ契約を結び、点検の度に「虐待」を繰り返し、上級モデルの購入を迫ります。この手法に憤慨して怒りをあらわにしている1シリーズなどのオーナーの声はネット上に溢れています。
1シリーズなど価格の割に粗悪極まりない作りをしていて、コストダウンしただけで燃費も良くないエンジンだけでなく、ドアのパッキンの配置を5シリーズと比べると2段階以上も省略されていて、日本のBセグや軽自動車と同じ水準の気密性です。もちろんBMWからしてみたらL7プラットホーム(1,2,3,4,X1,X3)は販売戦略の都合から良いクルマに仕上げる理由がまったくないわけです。またゴルフ、アクセラの2台が大きくアドバンテージを持つのは、ブランドの意図するポイントがライバルとは違うところにあるからです。
マツダは今後のビジョンのして中型車とスポーツカーを中心としたラインナップでプレミアム化を図るようで、今のところは順調に見えます。ただ価格面でじわりじわりと輸入車との差が無くなってきているので、さらなる個性的なラインナップの拡充(RX-7復活?)でブランドの魅力を継続して発信してほしいと願っています。
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今日は大雪でどこにも出られず…
またまた記事を読ませて頂いてます。
全教科で80点を取る子はなかなか優秀ですが
はたから見ると個性の無いお子様ですねえ(笑)。
家族がトヨタ車に乗っているのですが、
最近3つのトヨタディーラーから新車を
買え買えってうるさく迫られたので、
家族の反対を押し切って
いつもはトヨタでやってる車検を今回は
マツダでお願いしてみました。
金額はどちらも12万円。
しかし車検の内容には次の様な違いが現れました。
トヨタ
・ファミリーカーには必要ないであろう
超高級エンジンオイルを入れている。
・エアコンフィルター等にも高い物を使っている。
マツダ
・エンジンオイルやフィルターはトヨタに比べて
半額程度の物を使っている。(これで十分!)
・上記の物にお金をかけていない分
ブレーキ等足回りに重点的にお金をかけていた。
明細書を見た時、思わずニヤリとしました。
さすがはマツダだな。他社の自動車の車検でも
しっかり自分の色を出しているなって。
ボロ車なんですが実際に走りは「ヨタ足」
とは思えないほど改善しましたよ。
プレミアムブランドを目指すのも良いけど、
これからもGHアテンザやユーノス500みたいに
割安な価格で本格的に楽しめる車も作ってね、
マツダさん!・・・というのが一庶民のささやかな
願いなのですが(笑)。
コメントありがとうございます。
ひさしぶりの大雪でしたね。
ちょうど休暇を取っていたこともあり
午前中から雪の榛名山をドライブしました。
平日なのでだれも走ってないかと思いきやジムニー愛好家が多かったです。
有名な峠コースなのでアテンザで登れるか心配でしたが、FFでも上りはまったく問題なかったです。下りはアクセルペダルがひっきりなしに震えてABSが仕事していたので、多少は滑ってはいるのでしょうけど、恐怖は全く無かったです。
車検の話はとても興味深かったです。実家の母も譲ってもらったプレミオに乗っているので、次はマツダに持って行くようにアドバイスしてみようと思いますね。