2013年12月24日

日本人はなんでロータリーが好きなのか?

  マツダのロータリーが復活するという煽り記事の先には、デミオの写真とEV用のレンジエクステンダーとしてロータリーが復活することが載っていました。EVは結局は子供用の遊園地の乗り物を実用化したようなもので、アクセルを踏み込んでもモーター音のうなりが聞こえるだけ。電車でGO!かよっていうツッコミも・・・。

  ホンダは新型アコードの開発に当たって、加速をモーターに担わせることにしたのですが、アクセルオンでの高まりに欠けるとして、発電機能が主のエンジンをアクセルとシンクロさせるという心憎い演出までしています。マツダがEV用のレンジエクステンダにロータリを持ち込んだ理由は、アクセルオンにシンクロさせた本物のロータリーサウンドを聴かせようということなのだと思います。マツダの意図は十分に分かっているのですが・・・。

  それにしてもいい年したオッサンにマツダのイメージについて訊くと、大体はロータリって言いますよね・・・。なんでみんなそんなに手放しで褒め称えられるのでしょうか? 結局それってほとんどの日本人がマツダのクルマなんか実際に乗ろうとも思っていないってことの裏返しなんじゃないですかね。

  実際にロータリを買おうと思って情報収集をすると所有者からの愛憎籠ったコメントがいくらでも散らばっています。それらを集計すればおそらく、ロータリに生涯乗りたいという人は5%にも満たない水準じゃないかと推測できます。「最高に気持ちいいけど、最高に消耗する・・・」

  2012年にクルマの購入を予定していたので、生産終了になる最終型RX-8も当初は少しは検討しました。ユーザーコメントには理想と現実の大きな乖離が延々と綴られていて、プロジェクトX見て感涙してその熱い気持ちをずっと維持しているくらいの純粋な人でないと耐えられないクルマなんだと改めて感じました。そして道路でこのクルマを転がしている人々の風貌を見ると「何か違うかも」という違和感が・・・。

  クルマ選びのかなり最初の段階でRX-8は消えました。決定的だったのは、近所の駐車場に停めてあるRX-8を彼女と散歩しながら見に行ったときに、彼女が思わず「小さくてダサい」と呟いたことなのですが・・・。改めて生産終了を迎えるRX-8とは日本人が作った虚像の中で生きる存在にしか見えませんでした。一方で同時に生産を終えるGHアテンザには欧州での現在進行形の輝きを感じましたけどね・・・。

  今回のマツダがロータリーエンジンの中に自己を投影し、日本で盛り上がってもらおうという戦略には、一抹の疑念を感じます。いつまでブランドの求心力にロータリを据えるつもりでしょうか? 一時的にそれでファンは溜飲を下げるかもしれませんが、そんなことにどれほどの価値があるのでしょうか? 最高のドライビングを信条としたブランドコンセプトを十全に表す新型車の投入で、ホンダでもBMWでもなく「マツダ」がなんだ!という記事に早くお目にかかりたいものです。




ラベル:RX-8 ロータリーEV
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posted by cardrivegogo at 05:56| Comment(4) | マツダへの雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
昨年までFD6型に乗っていた身として、一つ。
随分と、かつての愛車(正確にはその動力ですが)に対して酷い言い方をしてくれますね。

しかし、ご指摘ご尤も。
今のロータリーエンジン搭載車では、生涯乗りたい人間がいるのかと言えば、僅かなものでしょうね。5%すら満たさないかもしれません。

CEOが「ロータリー搭載の新型車は不可能だ。」「商業的に実行可能な案でなければならない。ロータリーエンジン搭載モデルで利益を上げるには、年間10万台以上を売り上げる必要がある」という発言は知っていますか?

「売れなきゃ話にならない」訳です。
だからそんなものの復活に努力をするのは無駄、とも思えます。

しかし、マツダ=ロータリーエンジンという「虚像(これまた腹立たしい言い方ですね)」は、未だに根強いものがあるのも事実です。

そうでなければ、RX−8は何故出たのか説明が付かないでしょう?要は「虚像」を実体化させるためです。

今はSKYACTIVという新たな「実像」があります。
「ブランドコンセプトを十全に表す新型車」として、アテンザ、アクセラは出てきました。これらはしっかりブランドコンセプトを普及する役割を果たしてくれています。

では、ロードスターやロータリーエンジンはマツダのブランドコンセプトでは無いのでしょうか?

方や欧米でZ4やエリーゼ、SLKの始祖となった車、方やルマンを制した伝説を持つエンジン。
何れもマツダだからこそ産み出せたものであり、コンセプトの一端を示していると考えます。

商業的に成り立たなければ、虚像は崩れます。
しかし、成り立つ(=実像化)可能性を探る事は決して無駄ではないでしょう。
SKYACTIVという新たな実像に、更に歴史的に重みのある実像を加えるのですから。面白い話だと思いますが。

長文失礼しました。それでは。
Posted by R at 2014年01月14日 21:46
コメントありがとうございます。

マツダに対しては深い畏敬の念を持っており、これからも世界の自動車作りをリードしていくことを期待しております。

東◯経済オンラインなどのメディアが「マツダといえばロータリー」といった時代錯誤な報道を繰り返すせいで、ボ◯ボV60やレ◯ジローバーイ◯ォーグに憧れてるオッサンが「マツダはロータリー以外は興味ない」などと調子こいている声が、世間に拡散されて若いヤツら伝播してるのにムカついています・・・。ボ◯ボもイ◯ォーグもベースは・・・なのに。

FDやロードスターが「マツダではない」なんて絶対に思ってないですよ!英紙テレグラフ認定の20世紀ベストデザイン100の第12位(日本車最高位)ですからね。もちろん歴代コルベットもC5が至高ですね(笑)。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年01月15日 11:07
僕は以前、RX-8の中古車を購入することを考えた者です。
一回もロータリーエンジン車には乗ったことがありませんが。
僕はユーノスロードスターを中古車購入したときから、マツダFR車ファンな人間です。
生涯最後の愛車はRX-8と思いました。
しかしネットで調べると、とても手がかかる様子雫(涙・汗)
それで購入に至らない原因です。
ですから何が言いたいのかと言われれば、特にないのですが…雫(涙・汗)素人から言わせてもらえば、扱いやすいロータリーエンジンがいいな八分音符ということです八分音符
Posted by まか at 2014年01月28日 21:44
まかさんへ

RX-8の2012年モデル(最終モデル)の新古車がまだまだあるようですね。これならば新車保証が5年は付くはずなのでいいかもしれません。後期モデルならば故障のリスクは相当に低いらしいので、私も結構本気で考えました。逆に2003年モデルはいまでは50万円くらい?で大量にありますけど当たり外れがあるようで危険みたいです。

それでもアルファロメオやBMW、メルセデスの中古車を保証無しで買うよりは、断然に安心感がありますね。3000km毎にディーラーのロータリー専用オイル(9000円くらい?)はちょっと負担ですけど許容範囲ではないでしょうか。

あと3年くらいしたらRX-7が復活するという記事がautocarに出てましたよ。期待したいですね。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年01月29日 01:08
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