しかしそれだけでATの選択が却下され、ATのロードスターに乗っている男性ユーザーがバカにされるのはちょっと早計だと思います。最近気がついたのですが、マツダ車に関してはATにはATの楽しみ方があると思います。ミッションが主に威力を発揮するのは、登り坂での加速時が多いと思います。MTを駆使してスウィートスポットが狭いマツダのショートストロークエンジンのピークをうまく維持できれば最高に楽しいと感じます。これと同じくらいの快感がATでもペダルの加減のコントロールで感じることができます。
やり方としてはシフトをDにしたまま、とりあえず坂を駆け上がります。この時最初から2速で固定して上がった方が速いかもしれませんが、あえてDにしておきます。簡単に言うとコンピューターにギアを選ばせる状況にしておいて、ペダル操作でギアをスウィートスポットに釘づけにします。
マツダのATは一般に燃費が悪いと言われていますが、それは他のメーカーにくらべてDで走行時のシフトタイミングが絶妙でかつクイックにプログラムされているのが大きく影響しているようです。このシフトタイミングのクイックさと、エンジンレスポンスの良さがこの乗り方の肝となります。他のメーカーでは上手く行かないかもしれません。ちなみにマツダはこのクイックな設定故に踏み過ぎによる燃料消費を抑えるために「エコランプ」を装備しています。
エコランプを光らせながらでも不快なく立ち上がることができますが、登り坂発進となるとさすがにややダルく感じてしまいます。よってスムーズに上がる為にエンジンの美味しいところにペダルを合わせていきます。そのピークに達した瞬間にペダルが少し振動しますが、たいていはそれを感じたと思ったら、次の瞬間には状況が変わり刻々と変わる路面斜度も影響して、オーバーレブ気味になったり、ギアがアップしてパワーが抜けたりしてしまいます。
このとき右足で感じる絶頂の時間はせいぜい1〜2秒なのですが、訓練と運次第でこれを15秒くらいまで伸ばすことが可能です(もしかしたらずっと可能なのかもしれません)。これは意図的というか足が反射的にやってしまうことなので、正確には表現できませんが、シフトアップやオーバーレブにならない方向に反射的にもしくは前もって変化を予測して、ペダルの開度を変えていきます。
これが上手くいった時は右足の神経に全能感が宿り、「人馬一体」を感じます。ピーク時はエンジンがもっともハイレベルにレスポンスするので、まるで別のクルマのような挙動をします。右足一本で何かフワフワとしたものの上に立っているような感覚です。ペダルが小刻みに震えその振動が右足に心地よく伝わります。練習すれば登り坂じゃなくても出せるようになります。その時の感触はドライブを終えてもずっと残っているので、また同じコースで試したくなりますというかクセになってしまいますよ。あくまでロードスターでなくアテンザでやっていることですが・・・。
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