なかなか峻険な関東産地へ早朝から出撃するような気合の入った人々は、「ミッドシップ」or「Vテック」というかなりシビアな選択をしています(ターボはやはりNGでしょうね・・・)。日本三大峠の1つ雁坂峠へ向かうヒルクライム(国道140号線)は、途中でループ橋が現れるほど勾配区間の連続で標高2000mの山頂の下を通るトンネルまで一気に駆け上がります。群馬の榛名山や碓氷峠を走る分にはどんなクルマでも構わないですが、ここを楽しく走るためには、特別に軽量でトラクションに優れたスポーツカーを選ぶ必要があるようです。
残念ながらロードスター・RX-7・RX-8のマツダ勢は少ないです。この3台も性能では十分に活躍できるのでは?と思うのですが、やはり高齢者はマツダがあまり好きではないようです。街で結構目に付くマツダスポーツ乗りは一般的にそういう場所を好まないようで、もっと都会に近いところで見かけることが多いですね。RX-7/RX-8はいかにも「都会派」といった比較的若いユーザーが多そうな印象ですので早朝にはいなくて当然かも。一方でロードスターは・・・ここ走らないならどこを走るの?という気もしますが・・・。
ロードスターは近所で高齢者が転がしているのをよく見かけます。やはりユーザー年齢層がほぼ同じなBMW Z4やメルセデスSLKとほぼ同じエリアでの活動がメインなようです。マツダロードスターは他社ユーザーも一目置く、日本発の世界的スポーツカーとして、専門家からも絶賛されていますが、実際に山岳地域でのドライブを趣味にしている人からすれば、絶対的なマシンではないのかもしれません・・・。
こんな299号線や140号線にセダンでガンガン入っていくのが大好きです。同じような趣味の人もそこそこ見かけますね。飯能市側からの入り口となる299号線は中央線にポールを立てられているので1850mm幅のクルマだとなかなか大変なようで、旧型セダンが目立ちます。人気なのは、3代目レガシィ、アルティツァそして初代アテンザです。レガシィとアルティツァは5ナンバーサイズなので、まさに最高のステージとばかりに躍動?しています。初代アテンザはマツダのヘタレ(失礼!)スポーツカーの代わりに、かなり見かけます。
レガシィは欧州でも絶賛されたシャシー性能の高さとAWDのトラクションがこのコースによくハマっていて、ボディサイズまで考えると代わりになる適当なクルマが見当たらず、なかなか買い換えが難しいクルマのようです。アルティツァもFRでここまで使い勝手のいいパッケージを考えれば、乗り換え候補はもはやどこにもありません・・・。初代アテンザは欧州しかもドイツで大人気となるほど、パッケージとスポーティさに優れたクルマです。欧州での普及のおかげで、ビルシュタインが専用ダンパーを発売したりするほどで、足回りを中心にいろいろ試すことができるレアなマツダ車です。2代目じゃあまり弄れないしな・・・。
去年今年と新型アテンザと新型アクセラが相次いで発売され、おそらくこの初代アテンザからの乗り換えが相当数出るのではないかと思われます。よって中古で初代アテンザを手に入れて、足回りを弄って峠でも使えるセダンに仕立ててみるには絶好のタイミングが到来しています。
新型アテンザとは違う前輪DWBのサスの効果でハンドリングとトラクションはむしろ新型よりレベルが高いくらいです(ホイールベースの短さを考えると当然ですが・・・)。2Lモデルを選べば車重1360kgしかなく、これはマークXよりも86に近いレベルです! しかもMZRのショートストロークエンジンは高回転でも安定して回るのでヒルクライムではとても頼りになります。
中古車価格は50万円程度に抑えられると思うので、さらに10万円奮発してダンパーを変えてしまうのもいいかもしれません(ここがやや弱点か)。走行1万km以内のマツダ車にありがちな、ちょっとイラッとくる突き上げも中古なら気にならないくらいに足回りも柔らかくなっているでしょう。ブレーキも初代から新型までほぼ同じ性能で、峠走りにはマツダのブレーキはとても心強いです・・・慣れないとカックンいきますけど。
そして何より、風化しないデザインがさすがです。ヘッドライトの樹脂カバーを変えて新品同様の透明感にすれば、現役バリバリのデザインになります。リアのデザインもとても優秀で「名車」の域です。初代アテンザユーザーはやはりデザインが好きなようで、塗装をやり直したであろうクルマもよく走っています。俗に初代はスポーツ、2代目はセダン、3代目はワゴンが傑作と言われているように、スポーツのデザインが一番鮮度があります。リアスポイラーも決して下品ではなく良い感じです。
マツダには、ぜひこの初代アテンザのようなパッケージに優れて、足回りとハンドリングを追求できるクルマをリバイバルさせてほしいと思います。
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