しかし現実問題として、このCセグハッチバックでどこでも出掛けて行けるか?となるとそうは行きません。別の記事でも書きましたが、家族4人でCセグに乗り込んでドライブというシチュエーションはそれほど満足できるものではありません。見た目にも狭くて窮屈そうですし、渋滞にでもなったら軽く悲劇です。
さらに各メーカーは日本での販売が見込めないためか、中型車の開発に対して十分な体制を取らないケースが多くなってきました。プラットホームの統合が進む中で、専用設計を持つクルマの割合は低下しています。マツダやスバルはこのクラスの競争に社運がかかっていると言えるので、おのずと力が入るのでしょうが、いままでが「オーバースペック」という経緯もありますので、絶妙な力の入れ具合が求められる局面のようです。
どのメーカーの開発者も口を揃えるのは、コストさえかければ良いクルマなんていくらでも作れるということです。ビルシュタインじゃなくてKAYABAでもしっかりコストをかければ十分に良いダンパーを作ります。実際に先代アテンザはデビュー当初からダンパーの性能が今ひとつで、初代アテンザからの高級化というイメージを打ち出せず、起死回生の一撃としてMCで高性能なダンパーに交換して見違えるように乗り心地が良くなりました。
しかしまもなくリーマンショックと欧州危機に覆われた世界市場は急激に冷え込み、マツダは予想外の超円高に苦しみ赤字へと転落しました。仕切り直しの新型アテンザはコンセプトデザインこそ早くから公開されていて、注目を集めましたが、肝心の中身はコストダウンのオンパレードです。安全装備など多くの新機構が採用されてはいますが、いずれも今後のマツダ車の基本スペックとなる装備なので、新型アテンザのイニシャル・コストにはなりません。
先日もディーラーでじっくり見てきましたが、足回りは軽量化と言えば聞こえはいいかもしれませんが、かなり簡便化されていて、19インチホイールのスポークの隙間からスカスカのサスが見えていました。コストダウンは予想通りだったのですが、トランクを開けるとF30を真似したようなグースネックのヒンジが現れます(必死に隠すカバーまで一緒か・・・)。マフラーの形状もCX-5と全く同じで、この世で一番シンプルな「銀色パイプ」×2です。
BMW3シリーズがやっていることならOKとばかりに、どんどんとコストダウンに突き進む姿勢には甚だ疑問です。3シリーズを完全に馬鹿にできるだけの「高性能エンジン&高スペックサス&その他の高級設計」がしっかり盛り込まれていたからこそ、日本車の中型車として異例の大成功を欧州で収めたわけです。ただそういうクルマを作っていたら赤字になったわけですから、自動車会社の悩みは尽きないですね・・・。とりあえず2代目後期モデルは10年に一度の掘り出し物!とだけ言っておきましょう。
VWゴルフの設計を見て、モータージャーナリストが「コストダウンをしつつ、上手く見せている」などと評していますが、新型アテンザもその類いのクルマと言えるかもしれません。2代目ユーザーからしてみれば「なんじゃこりゃ」のレベルですが、喜んで買う人もたくさんいて実際に売れているわけです。ゴルフだって5代目6代目のユーザーからしてみれば新型なんて・・・って意見は当然あると思います。あそこまであからさまにスペックを下げているわけですから。
さて新型アクセラですが、先行したCX-5やアテンザの成功により、そこで使われた様々な新機構の研究費の減価償却も前倒しで進んでいます。それらをふんだんに使って作ることが出来る上、予想外の好調もあって価格も弾力が付けられるのでは?という予想もできます。世界的に激戦区となってきているCセグにこれだけ良い条件で参入できる状況になったことは、マツダの経営陣の読みが素晴らしいということでしょう。ちょうどBMW1シリーズが3シリーズの機構を使って作られて、発売当初から好調ですが、その状況に似ていると言えます。
1シリーズは「CセグにFR」という付加価値で存在感を放っていますが、新型アクセラは「Cセグにディーゼルターボ」「Cセグに高性能HV」といったなかなか破壊力のあるコンテンツをすでに用意しているようです。アテンザ譲りの全グレードマルチリンク&後輪ディスクブレーキなど、BMW・メルセデス・レクサスを完全に喰ってしまう高スペックもすでに織り込まれています。単純に考えて大ヒット間違いなしなのですが・・・。
↓欧州車至上主義の3誌が揃って大注目の欧州新型モデルといった扱いでアクセラを特集しています。
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「日経」新聞などによると、マツダは円高等による赤字経営に悩み、中堅メーカーではハイブリッドを根本から開発する資金もなく(スバルは独自の自社HVをものにしましたが)、「EVやHVなどが世間を騒がしているが、後20年くらいは、ガソリンエンジンが主要エンジンであることには間違いないだろう」という見通しのもとに、エンジン、サスペンション、プラットホーム、AT等を根本的に見直し、スカイアクティブ技術を確立しました。真っ青な大空まで突き抜ける、クリーンな青空の実現などの意味合いをこめ、しかも積極的に打って出るということで「スカイアクティブ」という名を付けたとも言われています(正確な引用ではないですが、だいたいこのような意味合いだったと思っています)。
かくして、デミオからはじまり、アクセラ、CX−5、アテンザ、プレマシー、ビアンテとその技術は拡大されました。いままた、もうすぐ発売の新型アクセラにも搭載されようとしています。「スカイアクティブ」はある意味大変結構なことですが、
長年のマツダファンにとって、車体の後ろから「mazDa」のロゴの文字が消えてしまったのは大変残念なことの一つです。
このロゴ文字は、アメリカのあるデザイナーが発案して採用されたものです。そのマーク作成代金の支払いは、確か当時で2億円だったと記憶しています。マツダのマークは、現在、Mの字とカモメの飛翔(これは私の勝手な思い込み)を意味した形となっていますが、クロノスや初代センティア、8代目ファミリアの時は、ろうそくの炎を○で囲ったマーク、その前は、菱形を○でかこったもの(いずれもクロノスや初代・2代センティア、8代目ファミリアに。これは。前にも書いたようにルノーからクレームがつき、お金を払って以後ローソクマークに)でした。トヨタがセルシオに初めて現在のマークを使い(正確には、レクサスLS400に)、マツダ、日産でもマークの作成が課題となりました。
マツダはルノー似のマークを採用しましたが、上述のようにマークが変遷し、ようやく現在のものに落ち着いたのでした。ですから、マツダマークを簡単になくしてほしくない、せめて希望者に「mazDa」スティッーカーを配布してほしいというのが、私の偽らざる気持ちです(幸い、現在の私のアテンザには、「mazDa」マークが付いていますが。「mazDa」マークの切り捨ては、これまでのマツダファンの熱い思いへの無関心のような気もしますが)。
ちなみに、日産は、かつて使っていたマークを持ち出してそれに決定しました。三菱はいすゞのマークに似ているものを採用していましたが、現在のスリーダイヤに落ち着きました(確か、現在の三菱マークは戦争に突き進んだ戦前の三菱財閥を早期させるということで使われていなかった)。
さすがに、ホンダは国際メーカーにふさわしく、当初からHのマークを掲げ、現在も使用している(ホンダの志k高さを見るような気がします)。
ついでながら、確かレクサス、アキュラブランド立ち上げ当時、ホンダは創立者ホンダ宗一郎の夢でもある「ジエット機」
の製作に取りかかり、同時にトヨタも「ジエット機」の製作へと取り組んだが、その困難さから、ある意味儲け主義のトヨタは早々とその取り組みから撤退しました。五里霧中ではあったが、十数年かかって、見事ホンダは来年自家用ジェット機の発売にまでこぎつけました。ホンダの努力・根性は、企業風土の違いとは言え、そして今三菱MRJジェット機がアメリカ製エンジンの開発の遅れから、かなりの予約機数をとったものの、製品化の見通しが全く立たない状態とは、大きな違いです。ホンダのものづくり対する態度、新しいものに挑戦する態度は、誠に「あっぱれ」だと思います。F1での成功のみならずジエット機の成功は、ホンダブランドのイメージを大きくアップするでしょう。
ちなみに、確か1機数億円するホンダのジエット機は、登場人数も他のアメリカ製のジエット機よりも多く(機体が広く)、
他の機体と違ってエンジンが翼の上に乗っている画期的なものです(エンジンの位置を考える場合、翼の下を順思考とするなら、翼の上はパラドックス[逆説]思考にあたると思います)。そのため、室内への騒音も低く、すでに試作機で型番認定を受け、来年度の発売を待つばかりだそうです(少し前の日経などの新聞記事と技術雑誌『モーターファン』による)。本当にホンダはすごいですね。
陸海空を制覇するという意志を表すメルセデセスのスリーポインテッドスターマーク、バイエルンの青い空とプロペラを表したBMWマークに託されている思い以上だと思います(もちろん、正式の高評価は来年度、発売が無事終わってからのこととなりますが)。
アコード、新型フイットの好調はもちろんのこと、自家用ジエット機の発売、マクラーレンと組んでのF1への復帰、新型NSXの発売と、まさにこれからホンダは上げ潮基調といえますね。
さて、いつものように、前置きが大変長くなっています。このあと、5ドアハッチバック、新旧のアテンザ、新型アクセラについて、本論を展開しよう思ったのですが、この辺で一休みしても、次回に「つづく」ことにします。
(つづく)
Cセグハッチバックについて
「Cセグハッチバックはなかなか日本に定着しないボディタイプです。多くのモータージャーナリストがこのことについて何度も言及していますが、結局のところは『価格に見合わないクルマ』ということだと思います。」とのことですが、日本でそれに該当するのは、トヨタ・オーリス、レクサスCT、スバル・インプレッサスポーツ、日産リーフ、それにアクセラ・スポーツぐらいでしょうか。
調べて見て気づいたことは、日産・テイーダがカタログ落ちしていたことです。 EVの日産リーフは特別だとしても、絶対数(車種)が少なく、言われるとおり、日本に定着していないといわれればそのような気がしますが、別の見方をすれば、レクサスCT、インプレッサスポーツ、アクセラはそれなりに売れていて、ある意味定着しているようにも思えます。
少し前の確か「フライデー」(写真情報誌)だったと思うのですが、ある家族のドライブ旅行で奥さんが高速道路の3車線の真ん中の道をテ○ーダで運転していたら、突然エンジンがとまり、慌てて旦那さんが代わって運転しようとしたら、後ろから確かトラックが追突して、子どもを含めた一家三人が死亡したという、悲しい記事が出ていました(つい先日も、芸能人の桜塚やっくんの高速道路での悲惨な事故が報道されていましたが)。エンジンストップについて、責任の所在も含め、記事の中で、その原因などあれこれ推察していましたが、とにかく、悲惨だし、ある意味とても怖い事故ですね。
それはともかく、Cセグハッチバックは、1台で、通勤、買い物、旅行、子どもの送り迎え、レジャー等、多様に使おうとすると、値段との関係でそれほどの台数が見込めない車なのかもしれません。しかし、見た目からも、上述のように高速道路での後ろからの追突等のことを考えた場合、安全空間の大きい、やはりセダンやミニバンが好まれるのだと思います。
ところで、ちいさな空間に7人を押し込める形式のクルマ−ラウム、フリード、ストリーム、シェンタ、ウイッシュなどの3列目には、万が一のことを考えて、絶対子どもを乗せないという人もいます。一般道はともかくとして、高速道路を運行する時には、多くは、これらのクルマには七人満員状態でないような気がします。ですから、いわゆるクラッシャブルゾーンを考えると、Cセグハッチバックは通勤や近くの買い物などの日常的な使い道は良いが、4人乗車してのドライブなどの非日常的な使用にはよっぽどのことがないと使わないということで、ある意味、Cセグが定着しないのかもしれません(もちろんCAR DRIVE GOGOさんのいうように「価格に見合わないクルマ」という面もあるとは思いますが)。
かつて、3代目のコロナ(1964〜)には日本初の5ドアが設定され、初のFFコロナとなった8代目コロナ(1983〜)は、「最初は
5ドアのみで先代FRセダンと併売された。以来海外では売れたが、国内ではずつと不振で、追って登場した8代目FFセダンが人気でたちまち主役となりました。」(「『保存版 日本の名車アルバム』p17・・『月刊自家用車2013 1月号付録』)
そして、アランドロンバージョンで人気を博した4代目カペラ(日本カーオブザイヤー受賞)以降、マツダは5ドアカペラをヨーロッパに投入し、カペラの後継車の初代アテンザとなって、いわゆるスタイリッシュな5ドアハッチバックとして日本にも投入されました。アテンザスポーツは、それなりに好評で、2代目アテンザとなって、セダン、ハッチバック、ワゴンそれぞれ3分の1ずつの売れ行きでしたが、3代目アテンザではハッチバックが廃止されたのは周知の通りです(中国では、確か第一汽車から今も発売中)。そのとき廃止した理由をマツダでは、クルマの種類が3種類あると、どうしてもセダンのデザインが保守的になり過ぎるからと広報していましたが、今になって考えると、経費削減以外の何物でもないような気がします(これまでの5ドアハッチバック[アテンザスポーツ]ユーザーのいわゆる切り捨てのような気がします)。
最後に、アウディA5、ポルシェパナメーラ(BMWにもあったように思います)に見られるように、いわゆるDセグメント以上には、5ドアハッチバックがそれなりの存在感を誇示しています。GHアテンザスポーツはすっきりし過ぎの感のあるハッチバックデザインでしたが、GJ(現)アテンザのMC時には、クーペとともにハッチバックも復活して欲しく思います(自分はセダン派ですが)。 ・・・・まとまりのない文章になってしまいました。
(つづく)
新旧アテンザ
昨日(10月7日)、いつもタイヤを購入したり、オイルを交換したりしている「スーパーオートバックス」から「スタッドレスタイヤ・バーゲンセール」のチラシが送付されてきました。何気なく見ていると、「インプレッサVX・アテンザなど」として、225/55R17のタイヤがアルミホイールとセットで121,700円と明記されているではありませんか。しかも、5000円のギフトカード[商品券]還元とアルミホイール下取りでさらに5000円お得とまで出ていました[タイヤの銘柄は、ダンロップDX−2かヨコハマ・アイスガード]。以前、私がGJアテンザ用に買った195/65R16のスタッドレスタイヤ(ヨコハマ)とほぼ同じ値段です。
これまで、CX−5用のスタッドレスタイヤのセットが広告に出ていたことはありましたが、アテンザのセットが広告に出たのは初めて見ました。しかも、クラウンHV・アスリートの215/55R17よりも高い値段(アスリートは117,700円ですし、広告両面のなかでも一番高い値段)として印刷されています。
昨年、新型アテンザを買ったら、スノータイヤの値段はいくらぐらいいかかるのかな、と新聞広告を見ていたら、スノータイヤのバーゲンセットにはなく、横に掲載されていた外国車なみの23万円ほどかかるなぁ、と計算していたことを思うと、とてもリーズナブルな値段となっていました。きっと、新型アテンザがかなりの数で売れているので、バーゲンセットの中に入ったのでしょう。
やはり、「数は正義」ではありませんが、たくさん売れると、スノータイヤの値段など良いことも出てくるのですね。旧型アテンザではなかった現象が新型アテンザでは起きています。新型は、車体が大きくなり、ほぼレクサスGSと同じ大きさになりました。そして、私の住んでいる金沢近郊でも、先日、ブラックとシルバー2二つの新型アテンザ・セダンを見かけ足りして、販売の好調さを伺い知ることができます。
私が、週四回ほど通っている、石川県庁近くのスポーツ・ジムの駐車場では、メルセデスの新型CLA250など、ベンツ・BMWは旧型アテンザ以上に良く見かけます。残念ながら、金沢等のイオン・モール等の各駐車場で新型アテンザを止めてあるのを見たことはありません。もちろん時間帯にもよるのでしょうが。とにかく、日中、走行しているGJアテンザを時々見るようになりました。
GJアテンザやレクサスGSを見慣れてくると、大きさに慣れ、クルマ自体がちっとも大きいと感じなくなります。そして、BMWの3シリーズのデザインなど、伸びやかさがないので貧弱に (古くさく) さえ見えるようになります。スバル・レガシィが来年あたりにFMCしてワゴンを廃止し、かなりアテンザを意識した、大きく格好良いデザインに生まれ代わるとのことですが、ある意味では、多くのDEセグメントの各社のクルマのこれからが楽しみですね。
ところで、内装は、新型アテンザよりも2代目のGHアテンザの方が断然優れていると思います。三連メーターよりも、四連メーター(小2個含む)の方が機能的ですし、何よりも日本車のこれまでの伝統に則ったデザインだと思います。私は、丸形2連メーターの内側に、燃料計と水温計を組み込んだ複合メーターにし、スバルのように真ん中に各種の情報インジケーターを配し、センターには2代目アテンザのように、室温、時刻、音楽などの情報を明示する方が断然見やすいと思います(現在のスバルがそのようにしています)。
BMWやVW、メルセデスなどは、水温計を省略していません。現アクセラや新型アテンザでは、水温計が省略されてしまいましたが、とても残念に思います。以下、そのことを歴史・文化論から批判することにします。
さて、今、私は、どこかに隠れていて、ようやく出てきた『なぜ日本車は愛されないのか』(初代FFファミリア、初代FFカペラ、RX−7[85]、ユーノス・ロードスター[89]のプロジェクト・リーダーだった立花 啓毅[ひろたか]氏の著作・・・「ネコ・パプリッシング」より2003年発行)という本を読んでいるのですが、その中で、立花氏がデザイン界の巨匠マルチェロ・ガンディーニにお会いしたときの話が出ています。ガンディーニ氏は、ランチア・ストラテス、ルノー・スーパー・サンク、ランボルギーニ・ミウラ、カウンタック、ディアブロ、チゼータ、マセラティ・クワトロポルテ等々を手がけた有名デザイナーですが、そんな彼に、日本車のデザインについて立花氏が尋ねて見た、として以下のような内容が記載されていました。敷衍します。
「日本人は周りのことを気にし過ぎています。上司のこと、マーケットの動向、自分が人にどう見られているかに神経を使い、それがデザインに表れているのです。まずは、自分の生き方、生活観をしっかりと
持つことです。そして、過去のクルマを勉強することです。クルマというのは、石垣を積むのと同じで、古い石の置き方を知らずに、新しい石を積んでも崩れてしまいます。今は、過去の上にあり、歴史や文化の上にあるのです。若いデザイナーは、先人たちの積んだ石を勉強すべきです。」(前掲書31頁)。
含蓄のある、優れて示唆的な言葉です。上記の言葉にもあるように、いくら日本人が新しいものが好きだといっても、内装面に限って言えば、せっかくGHアテンザで積んだ石をGJアテンザで生かしていないように思えます。代わりに、スバルが大いに積んで(真似して)います。スポーツカーの初代コスモや初代FFファミリアで積んだ石(デザイン)などを、フラッグシップカーのアテンザに大いに生かしてほしいなと思います(我々、素人が言うのはたやすいですが。それでも、スバルがマツダをとても評価し摂取しているのを見ると、マツダもっと頑張れと言いたいです)。
最後に、インターネットに、新型アクセラで確立したスマホと連携するセンターディスプレイ(ナビとして活用するにはSDカードを購入)をこれからのマツダ車に展開していくと出ていました。新型アクセラでは、法人用の最廉価車以外は、あのゴルフやメルセデス等にそっくりのセンターディスプレイは標準装備となると出ていました。
若い人にはいいかもしれませんが、高齢者には、余分な装置と思う人もでてきます。ナビ標準として売り上げが伸びなかったCX−7での失敗もあります。レクサスやトヨタなどは、MCでナビなど余分な装備は選択制をとりつつあります。いわゆるマツダの勝負をかけるやり方は、かつての「クロノスの悲劇」を想起し、大いに心配でもあります。
( 「新型アクセラ」に つづく )
新型アクセラ
昨日(10月9日)、珍しく北陸マツダからチラシが届きました。ファミリアSワゴンの代わりにフイットシャトルHVを買ったら、途端に冷たくなって(それが一般的なのでしょうが)、チラシ等の案内が全然こなくなってしまい、「珍しいな」と思って開けて見ると、新型アクセラの案内が出ていました。
「マツダ・アクセラ−『走る歓び』と『優れた環境・安全性能』の調和を目指したスポーツコンパクト今週発売予定・・・10月10日先行予約受付開始」と写真と共に、印刷されていました。発売は、11月下旬あたりになりそうです。
新型アクセラに関して、マツダは、かなり強気で、HVを含めてエンジンは4種類で、セダンには1.5Lガソリンとハイブリッドのエンジンが搭載されます。スポーツ(ハッチバック)には、1.5Lガソリン
と2Lガソリン、2.2ディーゼルエンジンの3種類のエンジンが搭載されます。
去年のアテンザの発売前は、インターネット上で、試乗記やオートクルーズを使っての動画など、百花繚乱の如く賑わっていましたが、新型アクセラではそれほどでもないように思います。やはり、アテンザは、マツダのいわゆるフラッグシップカーのFMCとして、それだけ大いに話題になったということでしょうか。
新型アテンザの時は、MSアクセラやRX−8オーナーから、「走りに関してはそれほどでもない。自分の車の方が上だ」という、若干冷ややかなレポートが目立ちましたが、そのとき気付いたことは、アクセラを運転している人は、圧倒的に男性が多いということでした。
贈られてきたチラシやすでに記事になっている「各種雑誌の写真」等を見ると、1.5Lガソリンを除いた各車には、中央に単眼メーター(タコメーターはアナログでスピードメーターはデジタル)が配置され、かつてのRX−8のメーターを想起させるような、いわゆる走り屋用のダッシュボードになっているように思います。
素人の予想など全く当たらないかもしれませんが、これでは、これまでよりも女性の購買層を取り込めないように感じてしまいます。主として、男性ご用達車になってしまいそうな気がします。まあ、1.5Lガソリン車には、左側に小さなタコメーターが配置されるので、それなりの購買層はあるかもしれませんが。
オーリス、インプレッサHB、ボルボV40、メルセデスAクラスなどがライバルでしょうが、これまで以上に、若者とスポーティカーを希求する男性にふった車に仕上がっているような気がします。
センターディスプレイ標準なので、価格帯は180万円〜280万円くらいと予想します。相変わらず、世界的にはヒットするかもしれませんが、国内では思ったほどの爆発的なヒットにはならないかもしれません。それなりに、売れるでしょうが。
多分、トヨタとの紳士協定なのでしょうが、発売すると一番売れると思われるハックバックに、ハイブリッドがないのが気がかりです。 マツダは、確か再来年だったと思いますが、もうすぐ立ち上げるメキシコ工場で生産するデミオをトヨタのヴィッツとして、アメリカで販売するという協定を結んでいる(トヨタから援助を受ける)ので、ハイブリッドの生産には桎梏(足かせ)を受けざるを得ないのかもしれません。
余談ですが、スバルは、アメリカの工場でトヨタのカムリを生産して工場の稼働率が上がり、その結果、アメリカでレガシィを値下げすることができ、アメリカで大きく生産台数を伸ばしました。結果、次期レガシィはアメリカで好調のアウトバックやセダンに車種を絞って生産し、ワゴンを廃止するようです(スクープを信じるならば)。
ついでながら、今日買ってきた『ベストカー プラス』には、インプレッサよりも大きくてレガシィより小さい、ニュースポーツワゴン(水平対向1.6L直噴ターボ搭載)、年内〜来春デビュー!!と報じています。マツダもトヨタの援助を受けて、スバルのように絶好調になれば良いのですが、そう計算通りにうまくいかないことも予想されます。
以上、いろいろ言いましたが、私の予想値段よりも若干リーズナブルな価格になって、新型アクセラが大いに売れ、トリクルダウンではないですが、その恩恵が、アテンザのMCに及べば申し分ないと思っています。
(結論的には、毎回同じような内容ですが)
コメントありがとうございます
アクセラの価格が1.5Lで171万円 2Lハイブリッドが237万円 ディーゼルが298万円となっていましたね。(ディーラーで240万円を260万円と聞き間違えたようです・・・)
他のブログも読んで頂いているようなので察しておられるかもれませんが、アクセラセダンのハイブリッドがとても気に入ってしまいまして、これからことあるごとにブログでプッシュしていきたいと思っています。
マツダも前年同月比で国内生産24%増と絶好調みたいです。北米販売ではややスバルに差をつけられましたが、インプとアクセラを見てもブランディングの実力はマツダの方が上回っていると思うので、再びスバルを追い越すのではないかと思います。ついでにメルセデスとBMWも追い抜いていってほしいですね。