2013年09月19日

新型マツダスピード・アテンザ(GJ系)は?

  スポーツカー人気が再燃の気配です。86を作るだけでは飽き足らず、トヨタとレクサスでさらに複数のスポーツカーとスペシャリティカーを作ることがすでに決定しているようです。トヨタは改革が一段落し、業績は右肩上がりですが、好調の要因はF1撤退も過去のものになりトヨタに対するイメージが回復したこともあるかもしれません。

  マツダとしてはロードスターやRX-7・8で日本車のプライドを守ってきたという自負がある中で、トヨタに美味しいところを持っていかれて、幹部も心中は穏やかではないはず。いよいよ2010年代のマツダのスポーツカー展開が解き放たれる時も迫っているようです。今後2年以内に発表が確実視されているのが、新型ロードスターと新型マツダスピード・アクセラです。ただどちらも既存のモデルの後継ということでイマイチ新しさがありません。RX-8の後継となるスポーツ専用モデルの開発は、去年までのマツダの危機的状況のためか大きく先延ばしされているようで、まだまだ時間がかかるようです。

  ロードスターには86という強力なライバルが出現し、市場環境は厳しくなりつつあります。MSアクセラに関してはゴルフGTIを想定した「ホットハッチ」で欧州市場での販売を意図したモデルです。FFのハッチバックベースのスポーツモデルは量販車のイメージアップ戦略として有効であり、ルノーやフォードが強力な資本を背景に開発を行っていて、激戦区へと変わりました。その中でも最高の評価を受けている「ルノー・メガーヌRS」はニュルブルックリンクで、あの32GT-Rを超えるタイムを出しているほどです。FFハッチバックとはいえ、その性能はすでに日本市場で市販されているFRラインナップのすべてを上回ってしまっています。

  もう一方の雄である「フォード・フォーカスST3」は従来使っていた5気筒2.5Lのフォード製エンジンから、これまたビックリのマツダが設計した「MZR」エンジンをベースにした高性能2Lターボに載せ変えて、一気に評価を高めました。今や欧州の「ハッチバック」と「エステート」の花形モデルになっています。ロードスター用のエンジンをフォードが独自に直噴ターボ化したスポーツエンジンを持ってこられては、「スカイアクティブ−G」をいくらチューンナップしてもとても歯が立ちません・・・。

  フォードとパートナーシップを維持しているマツダとしては、フォーカスST-3とガチンコのモデルを作るのではなく、よりバランスの良い最適なFF車として高性能アクセラと仕上げるようです。マツダとしてはスポーツモデルの新たな頂点を目指して、これまでに無かったプロジェクトが動いていると海外メディアではすでに何度も報じられています。その根拠として新型のGJ系アテンザのシャシーは引き続き250km/h超に対応する設計がされていることが挙げられます。

  GJ系アテンザはさらなるハイスペックなエンジンを搭載できるようにエンジンルームが拡げられており、マツダがその気になってGTカーに仕上げれば、BMW7シリーズのように300km/h超も可能な高性能セダンになります。現実問題としてマツダがV8を作って、北米のマッスルカー市場に殴り込みをかけるかはわかりません。ただ北米ではマツダ6と同じ価格帯のクライスラー300Cやシボレー・カマロなど低価格なV8モデルが人気です。ただFFベースのアテンザにV8はハードルが高いです。アウディでも採用例は限られています。

レクサスは北米向けの切り札として「GS」と新型の「RC」にV8搭載のFを設定して既存のLSと合わせて、メルセデス・BMW・ポルシェ・ジャガー・マセラティといったライバルに負けないV8ラインナップを構築するようです。果たしてマツダの視線の先にあるのはクライスラーなのか?ホンダなのか? あくまで想像の話ですが、アテンザをアコードやカムリの「2番煎じ」として送り込む意図は当然にあると思います。HVに対抗してディーゼルターボを北米に展開して主導権を握れれば良いです。しかしドイツ勢も黙っているわけはなく、ブランド力で上回るメルセデスやBMWもディーゼルターボの北米上陸を画策しています。

  マツダとしてはどうやって、BMWとメルセデスを出し抜くか?が最大のポイントで、良好なデザイン力を生かしたスペシャリティモデル(2ドアクーペ)の開発にすでに着手していると報じられています。その上でGT-Rのような「スーパー・スポーツ」の領域にまで近づいた性能(400ps以上?)のパワートレーンを自前で用意しないとブランドとして定着できないでしょう。この20年で200ps程度のスペシャリティ・セダンが北米で成功した例はありません。

  以上のことから、登場が噂されるMSアテンザはAWDで直4の2.5Lをターボで過給して350ps程度というのが現実的な路線かもしれませんが、より高性能で安定的な性能が発揮でき、フラッグシップとしての静音性に配慮したV6ベースのAWD車になる可能性もあります。いずれにしても350ps以上の性能を$40000以下で発売すれば、それなりの反響はありそうです。日本価格は450万円くらいでしょうか・・・。

  
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posted by cardrivegogo at 13:23| Comment(5) | アテンザ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
CARDRIVEGOGOさん、こんにちわ。

「新型マツダスピードアテンザ」、楽しく読ませていただきました。感想(思ったこと)を以下に記します。


少し、心配というか疑問があるのですが、 「MSアテンザはAWDで直4の2.5Lをターボで過給して350ps程度」は良いとしても、「より高性能で安定的な性能が発揮でき、フラッグシップとしての静音性に配慮したV6ベースのAWD車」と言った場合、現在、マツダの所有するV6エンジンはというと、私の認識する限り、北米、オーストラリア、フィリピン、インドネシアで販売しているCX−9に積まれている「3.7LV型6気筒MZIエンジン 273PS」しか思いつかないのですが。

 このV6エンジンは、フォード・サイクロンエンジンのマツダ版であり、当初は3.5Lであったのを2008年モデルのCX−9の発売の際、3.7Lに置き換えて、最大出力を263馬力から273馬力にアップしたエンジンです。そして、現在は、マツダの工場(宇品工場か?)で生産されています。

このフォードの改良エンジンを使うとなると、かつてトリビュート(2000年〜2006年)に使われていた TA-EPEW 1988cc (129PS/5400rpm)エンジンのことを思いだします。このエンジンは元はフォード製エンジンで、音振がひどく、かなりマツダが手直しをしたものです。後に、完全に、マツダ製2.3LMZRエンジンに交換されました(インターネットによる)。

「フォード製エンジンはそのままでは使えない」、というのは、トリビュート(マツダのSUV)発売のとき、良く雑誌に出ていたマツダ開発陣の言葉です(実際に、上記のようにマツダで改良して搭載・発売していた)。

だとしたら、現在CX−9に搭載されている「3.7L V6 MZIエンジン」の使用の可能性は弱いような気がします。私の勝手な判断ですが、高性能エンジンとして耐えれない気がします。そうすると、残された選択肢は、2.5Lのターボエンジンとなります。

また、AWDについても、今月発売の『ホリディオート10月号』には、マツダの4WDの代表としてとして、 CX−5の「オンデマンド式」が出ていました。一概に優劣はつけれないが、三菱のランエボやスバルのB4のターボはいずれも、センターデフ式であると書かれています(B4のNAは、オンデマンド式) 。

4WDに関しては、少し前の『ベストカー』に、一番4WDに取り組んでいないメーカーは「マツダ」である(日本で一番最初にフルタイム4WD化に成功したメーカーなのですが)とも書かれていました。AWD
にしても、最近のマツダは、ラリーからも遠ざかり、あまり得意であるとは思えません(かつては、ファミリアなどで、氷上のモンテカルロラリーで優勝していましたが)。

いずれにしても、高性能・アテンザクーペの発売には、マツダに大いにガンバってもらわないといけないと思いました。
Posted by K・T at 2013年09月20日 00:00
K.T.さんこんにちは
コメントありがとうございます

MSアテンザは作るのは間違いないようですね。
北米版の先代アテンザには現地生産(フォードの遊休工場)で3.7LのV6が搭載されていましたので、新型も北米生産が始まればまたV6が復活すると思います。もしかしたらHVになっているかもしれませんが・・・

北米マツダが主導して開発するMSアテンザなら、3.7LのV6ターボか HVを使って400ps以上を出すAWDくらいしか、ニーズに適っていない気がします。アテンザの兄弟車でもあるリンカーンMKZは現行モデルでFWDとAWDで3.7LのV6NA積んで300ps出しています。

マツダ6の北米版の通常がこの3,7LのNAクラスと考えると、MSマツダ6は後輪HVモーター駆動で400psでホンダの次期レジェンドみたいなクルマに仕上げてホンダの鼻を明かしたりしたら面白いですね(もちろんフォード加担です)。

K.Tさんに教えて頂けるマツダの情報はとても参考になります。いつもありがとうございます。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2013年09月20日 04:05
CARDRIVEGOGOさん、コメント、ありがとうございます。

 CX−9の「wikipedia」に以下のような内容が出ていました。


「(CX−9は)アメリカのモータートレンド誌でビュイック・エンクレイブや日産・ローグをくだして「SUV of the Year」となり、さらに2008年の北米カー・オブ・ザ・イヤー(トラック部門)を受賞した。日本車がこの賞を受賞したのは2006年のホンダ・リッジライン以来のこと。」

かねてより、7人乗りでオーストラリアでとても人気のあるCX−9が、北米カー・オブ・ザ・イヤー(トラック部門)を受賞したことは知っていたのですが、改めて「wikipedia」を検索してみると、アメリカのモータートレンド誌で上記の賞も受賞しているとはしりませんでした。

 CX−9も、マイナーチェンジで、かつてのCX−7顔から新しく「魂動」デザイン顔となっています。インターネツトのニュースなどを見ていると、CX−9とCX−7も新しく中国で販売されるようですが(もちろんCX−5も) 、CX−7は、すでに日本では生産中止ですが、中国の工場で生産されるようです。

余談ですが、以前『ベストカー』の特集で、「日本一、フロントグリルの中の企業マークが大きいのは、マツダCX−7である」と載っていました(笑)。その後の号で、フロントグリルの特集があり、フロントデザインまわりの中でフロントグリルのしめる割合が最も大きいのは「新型クラウンアスリート」であるとも、載せていました(妙に納得)。『ベストカー』を読んでいると、トリビア的な知識(どうでも良い雑学的知識)ばかり、身に付きます(楽しいです)。

それはともかく、以前、技術雑誌の『モーターファン』「日本のエンジン特集」で、
マツダエンジンの一つとして、3.7LのV6エンジンが紹介されていましたし、CARDRIVEGOGOさんが言うように、先代アテンザのアメリカ版アテンザ(確か全幅は1860o)にも搭載されていたエンジンでもあるので、マツダ製エンジンとして、信頼性(耐久性)も厚いのかもしれません。とにかく、MSアテンザ(以前のGGアテンザでは4WDセダンでしたが) 、楽しみですね。
Posted by K・T at 2013年09月20日 11:50
アテンザは間も無くサンルーフが選択できます。
Posted by y at 2013年10月13日 21:08
yさんへ

コメントありがとうございます。
サンルーフはぜひ付けておきたいですね。
またいろいろ教えてください。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2013年10月17日 00:20
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