2013年06月18日

アテンザは世界のクルマを変えていく (歴代アテンザのサクセスストーリーとドイツ車 その2)

  歴代のマツダ車のファンには少々失礼なモノ言いになるが、バブル期の高級志向の強いマツダ車は、欧州からみれば、今の中国メーカーが作る「高級車」を日本人が見る感覚に近かったのではないかと思う。これはマツダに限らず、トヨタも日産も当時は同じように思われていた。そんなマツダ車もアテンザやアクセラの世界的ヒットを契機に、スポーツカー以外のクルマでも欧州のあらゆる地域の人々に親しまれる存在になった。

  欧州では、スポーツカーやSUVなどある程度、日本メーカーが技術的に先行するジャンルのクルマは比較的容易に受け入れられているようだが、セダンやハッチバックといったモデルになるととてつもなく参入のハードルが高くなる。世界のどの地域よりも圧倒的に高くそびえるこの「壁」を、史上初めて乗り越えたクルマがマツダ「アテンザ」だ。アテンザよりも高性能な日本車は過去にいくつもあった。しかし欧州車をバカにしたかのような「過剰スペック」の日本車に対して欧州の人々が「感情的」になっていた部分もあったせいか、大きなインパクトを与えることができなかった。

  もちろん実用走行域が大きく違うなど、日本と欧州の格差がクルマ作りにも現れていて、日本メーカーにとってはもっとも売りにくい市場が「欧州」であっただろう。トヨタとホンダはバブル後も好業績を残したが、それは売りにくい欧州にとっとと見切りを付けて、北米に軸足を移したからだ。マツダはそれでもヨーロッパの壁を叩き続けた。それでもレイシスト的な欧州のスタンスは揺るぎなく、マツダ車が本格的に欧州に受け入れられるようになったのは、マツダがフォード傘下になって「血が入れ替わった」後のことだった。

  アストンマーティンやジャガーなど欧州の盟主と言えるブランドを傘下に収めていたフォードグループの一員として、マツダ車の素晴らしさは欧州の隅々にまで浸透した。スポーツカーメーカーとしての評価は得ていたが、マツダにとって2000年代の絶頂期のフォードという最高の「勝ち馬」に乗ったことは大きかった。アクセラに採用されたフォードC1プラットフォームは、フォーカスとして、VWゴルフ(4代目)やオペルアストラを完膚なきまでに叩きのめした「傑作シャシー」だった。フォーカスに続いて投入されたアクセラも難なく欧州で大ヒットを迎えることができた。

  日本においては、マツダの技術力の高さだけが、一人歩きしていて「営業力はないけど技術屋のマツダ」「ロータリーのマツダ」「デザインのマツダ」などの文脈で語られてしまうが、欧州での成功の本質はそれとは全く別のところにあるように思う。欧州の伝統の懐に入りこめた最大のポイントは、フォードのような「質実剛健」なクルマ作りの哲学をマツダが体現できたことだと思う。今の中国車や韓国車が日本人の心に全く響かないように、バブル期の日本車は欧州人にはまったく届かなかったのではないかと想像できる。

  しかしマツダもバブル期のような「やんちゃ」な時代を経たからこそ、今しっかりと地に足の付いた「アテンザ」や「アクセラ」というクルマが作れているのだろうし、マツダというブランドが着実に成長しているのを感じる。バブル期のマツダから、「BE DRIVER」と自信満々に主張するブランドへの「進化」は、マツダが経験してきたスポーツカーから乗用車までの意欲的な取り組みがあってこそだと思う。それにしても「BE DRIVER」とはシンプルな表現だな・・・(これこそがマツダがたどり着いた自動車ブランドの「境地」なのだろう)。


↓ロータリーに注ぎ込んだ情熱は、ラインアップが無くなってもブランドの重みに大きく貢献している。




  
posted by cardrivegogo at 07:44| Comment(2) | アテンザ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アテンザとフラッグシップカー(その2)

CARDRIVEGOGOさん、こんにちわ。 早速、返答ありがとうございます。

一口にフラッグシップカーといっても、車体の大きさに重きをおいて言うのと、性能・会社のイメージ等をまさしく代表しているという意味で使うのと微妙なニュアンスの違いがあると思うのです。かつて、マツダは、GG系アテンザ(初代)、GHア系テンザ(2代目)の時には、「フラッグシップカー」なる言葉を使っていなかったと思います。それがGJ系アテンザ(3代目)になって、大きく訴えているということは、大きさもさることながら、その性能やできばえにかなりの満足度を持っているからに違いありません。

 山内前社長は、プーチン大統領も臨席したロシア工場立ち上げの際の挨拶で、「アテンザは、これからマツダにとって、非常に重要な、エポックメーキング的なクルマとなった」、いわばマツダの車づくりの歴史において、ターニングポイントとなりうるクルマであるようなことを述べられています。それはそれで良いのですが、また事実上「フラッグシップカー」となっているのでしょうが、格下と思われるべきCX−5とほぼ同じインテリア(CX−5の固い材質よりも新型アテンザでは弾力性のある上等の材質となっている。併しながら、実際にメジャーで計測してもらったら、ナビなどの寸法は全く同じだった)となっています。上級のパターン(フラッグシツプカーのもの)を格下に流用していくのなら、良いのですが、明らかに格下のCX−5のものから、ステアリング形状を含めて流用して、これで(アテンザが)フラッグシップカーでございます、というのには、やはり車作りの哲学がわかっていない、若干弱いと思うので、心配なのです。

「もちろん、本来ならばそういう事があってはならないのであって、上から下へと降りていかなればならない事は重々承知している。今回は、iEループや数々の安全装置の追加やセダンとワゴンの値段の統一の事などでヤムを得なかったのだ。今後、そういう事のないよう、フラッグシップカーづくりにあたっては
十分注意する。フラッグシップカーづくりの原則は堅持していくつもりだ。」と自覚し、実際、次回のモデルチェンジにあたっては、戦略的にまず最初にアテンザ(フラッグシップカー)に理想のインテリアやステアリング・内装・装備を与え、それを徐々に、格下のアクセラやCX−5へと流用していく(降ろしていく)のならよいのですが・・・。マツダ開発陣は、是非、そうう自覚してほしいと思っています

しかしながら、過去の経験では、ちょうどそれまで特注だったエアバックや4WBS(アンチロックブレーキシステム)を標準装備となる時期に、私の乗っていたミレーニアのステアリングは、以前のユーノス800のものではなく、格下のクロノス(ミレーニアの前に自分が乗っていた)のステアリングが取り付けられていてあまり良い気がしませんでした(エアバック、4WBS標準のために仕方がないとは思いましたが)。その他、ドアハンドルにいたっては、クロノスのものが、その後発売の5ナンバー・カペラはもとより、かなり遅れて発売された、当時のマツダの「フラッグシップカー」の2代目センティアにも付けられているのではありませんか。

ほんの少しの予算をケチッて、「いったいマツダは何を考えているんだ」と思った事を覚えています。幸い、ミレーニアのドアハンドルは、ミレーニアだけのデザインでしたが。
こうした格下のくるまの部品を共有するということは、トヨタなどでもあったようですが(リコールなどの新聞記事を見ると、レクサスなども巻き込んでいる事もあったように思います)、合理主義・数値主義には時には大きな落とし穴が待ち受けているように思います(東日本大震災・タイの洪水の影響で部品が調達できず生産ストップしたことなど)。

インテリアやメーターの数(丸形3連メーター、主要丸形2連メーター+小型丸形2個のメーター)、ステアリングやドアハンドル、内側からデア開けるドアノブの形状など、カーエンスーにとっては大変気になるところです。特に、ステアリングは重要だと思います。かつてステアリング交換可能な時(変えて車検が通る時代)、私は、3本スポーク型ナルデイ、3本スポーク型イタルボランテ、4本スポーク型イタルボランテをそれぞれの車に変えていました。いまでも、エアバック付きのステアリングに変えようと思えば出来るのでしょうが、車検を通るという確信と、そこまでやるという情熱がないとできないでしょう。かつてのような、モモやナルディ等にステアリン具を交換する人は殆どいなくなったのではないでしょうか(あくまで推察ですが)

 いろいろ述べましたが、アテンザも新型となり、迫力のある価値有るデザインの他にいくつかの先進技術による飛び道具(スカイアクティブDやiEループ、安全技術など)を有するうちは販売状況が良いと思いますが、マツダ自信の関係者がインターネットで述べているように、「こうした技術はすぐに他社に追いつかれてしまう」ということです。そのことを重々承知しているマツダは、だからこそ、我々は意味的価値の側面や次の技術の開発を考えていると言っていますが、これからも大いに良い車作りに取り組んでほしく思っています。すでに、欧州各社は、圧縮比を低くするディーゼルエンジンに取り組んでいるようですし、ボディ形状も1800oの枠にとらわれず(すでにアウディは1840oとしていますが)大型化してくるに違いありません。

足回りにしても、経費の関係でストラット化の流れは仕方のないとしても、かつてFF2代目ファミリア
は後輪ストラット式SSサスペンション(SSはセルフスタビライズングの略)、前輪A型ロアアーム式ストラット式サスペンションで、ターボXG−R(3ドア)には、スポーツ、クルーズ、ノーマルの「ダンパーの3段切り替え」があって、山道の曲がりやのんびりと田舎のドライブなど、状況に応じて楽しむ事ができるようになっていました(徳大寺有恒著『カーグラフティ NEWファミリア』39頁等参照−光文社文庫 昭和60年1月20日発行)。
だから、ストラットはストラットでも、やはり他社とは違う、ストラットにするなど(もっとも、こうした3段切り替えがあっても、結局、自分の好きな足回りに収斂していき、結局は固定化するので、現在はそうしたことが行われていないのかもしれないが)、色々工夫して、常に他社の一歩先をいったた車作りをしてほしいものです。正に、「Be a driver」というコピーの文言に恥じない車をつくり続けてほしいものです。 CARDRIVEGOGO(のっち)さんの言うように、ハイブリッド化、クーペ化など、アテンザの発展を見守りたいです。
Posted by K・T at 2013年06月19日 01:08
今月号[8月号]の『ドライバー』の「愛車物語」に、アテンザのオーナーズレポートが掲載されています。ご覧ください。
Posted by K,T at 2013年06月23日 18:55
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