そのフュージョンですが、デザインはどこか「2代目アテンザ」を彷彿させるフロントマスクが印象的で、「2代目アテンザ」をこよなく愛する者として、3代目アテンザと同じくらいに親近感を感じています。フォードのミドルセダンですから、基本設計はアテンザと同じものを改良して使っています。他にもボルボS60やリンカーンMKZやマーキュリー・ミランなどのプレミアムカーが同じプラットフォームから派生しています。このアテンザの「親戚」みたいなクルマ達は2010年までのフォードグループの「縄張り」に従って日本には導入されなかったのですが、フォードから離れたボルボはまもなくS60を日本に展開し始めました。マツダとしても「負けてたまるか!」と新型アテンザの開発に邁進し、日本のセダン市場に見事に旋風を巻き起こしました。現在ではS60は「旧型EUCDプラットフォーム」に加え「2代目アテンザをコピーしたようなデザイン」で売り出していますが、世界全体で月6000台超を販売するものの、日本では低迷しています。フォードはまだまだマツダと協業関係にあるようで、マツダの本国市場へのDセグの導入には否定的なようです。
フォードは日本ではあまり知られていませんが、ハイブリッドの開発もかなり進んでいて、兄弟車のフュージョンとMKZとミランにはいずれもHVが設定されています。簡単に言うと「アテンザHV」が北米ではすでに発売されている状態です。マツダとしてはアテンザにHVというアイディアもあったのでしょうが、もしかしたらフォードとの間に何らかの密約があって、アテンザでのHVによる欧州・北米への展開をしないという内容なのかもしれません(欧州フォードもモンデオというフュージョンの同型車を販売しています)。
確かにアテンザのハンドリング(フォードのハンドリング)が付いてくるHVセダンならば、アコードやカムリを追い抜くのも可能な気がします。「アコード」や「カムリ」が支配していた市場に、マツダが作ったプラットフォームの「フュージョン」が巻き返しを図るという「構図」が国産車好きにはたまらないですね。フュージョンがさらに売れて、北米ナンバー1セダンへと登り詰めいよいよ日本にも上陸して、「本家」のアテンザと全面対決が実現すればマツダファンが大喜びしそうです。すでにアテンザは北米では発売されているのですが、「現地生産」車ではないので、北米市場で上位まで進出するのは難しいかもしれません(月2万台超えたら快挙といいたいですが、全世界で1万台しか作らないとか)。しかし日本Dセグ市場では現在「帝王」クラウンに次いで2位を確保していて、マークXやレガシィといったトヨタグループのクルマ相手に健闘しています。今後クラウンを超えてトップに躍り出ることができるでしょうか? 北米市場の頂点を狙うフュージョンと日本市場の頂点を狙うアテンザの2台の「CD3プラットフォーム」車に注目したいと思います。
↓日本車はDセグプレミアムをもっと強化したらいいのに・・・などと悠長なことを考えていたら、「レクサス・インフィニティの中国生産」のニュースに唖然としました・・・。
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