それに対して、歴代のアテンザやクラウン[関連記事-別ブログ]といったクルマの「カッコいい」とは、決してクルマだけで完結した「カッコいい」ではなくて、そのクルマのオーナーのファッションの一部として「カッコいい」という意味が強いです。それはコートやジャケットの「カッコいい」とほぼ同じです。これらの「カッコいい」は常に高度な社会性が要求されていて、簡単に言うと派手すぎず地味すぎずの「バランス」が最も重要だと思います。
さて2005年から日本にも導入されているレクサスですが、これまでこのブランドのクルマはどちらの「カッコいい」に分類されるべきか(フェラーリなのか?マツダなのか?)いまいち定まらず、芸術品を嗜好する「成金主義」的なものと揶揄されたり、一方ではクルマとしての高機能性から「最善の選択」だと言われたり相反する評価を受けてきた印象です。この不安定でどっちとも言えない立場がユーザーを遠ざけていて、レクサスのこれまでの販売苦戦の原因だったのでは?と分析しています。近年では低価格のモデル(HSやCT)が加わりだいぶ「バランス」の方へと根付いてきていて、ブランドとしての立ち位置もはっきりしてきました(HSやCTのユーザーは完全なバランス派)。そのおかげもあってか、プレミアムブランドとしてかなり成熟してきたのではと思います(アルマーニやグッチだったのがポール=スミスになった?)。
今度発売されるレクサスISはまだ価格は発表されていませんが、クラウンなどの戦略価格の流れを見ると、さらに「バランス」的な「カッコいい」を表現できるモデルになるのでは?と思います。観光地やショッピングモールに「着て」いける普段着のクルマが、どんどんカッコよくなって登場してきていますが、その日本車の代表がマツダのアテンザです。そしてレクサスISはアテンザが位置するこのジャンルの頂点の座を狙って投入されるはずです。BMW3やベンツCクラスもこのジャンルに含めてもいいと思うのですが、今の若い人はこの2台は「バランス」を欠いている(=カッコ良くない)と見る向きもあります。そこで輸入車ではワンランク下のCセグプレミアムがここに相当しています(レクサスCTなども同じですね)。
私などが使う意味での「カッコいい」はこの「バランス」ジャンルを指すので、ここで一番カッコいいクルマこそが最高のクルマということになります。今の愛車(2代目アテンザセダン)を買ったときはそのクルマが最高だと考えたので決めました(今でもこのクルマが一番です)。しかし2代目アテンザは引退してしまいました。次の王座を巡って、国内外から様々なモデルが集結してきています。今のところ最有力候補は新型アテンザと新型レクサスISですね。どちらが頂点かはISを街で見かけるようになってから決めたいと思います。
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